人を雇用する恐怖

私は開業からずっと、ひとり税理士で活動しています。
従業員、パートタイマーといった方はおりません。

「ひとりですべてこなすのは大変では?」と言われることもありますが、人を雇う方が苦労が多いと思っています。

「ひとり」の実態

ひとりで税理士業のすべてを行うのは、見方によっては「大変」と映るかもしれません。

  • 書類のスキャン
  • 資料の作成
  • ホチキス止め
  • 封筒の宛名書き
  • 郵送

といったことすべてを行う必要があります。

このような雑務をひとりで行うのは、確かに面倒かもしれません。

このような事務を行ってくれる方がいれば、間違いなく私の負担は軽減されます。
さらに進めて、事務作業をすべてお任せして私が営業に専念するということも可能になります。

拡大経営は私の目標とするところではありませんが、そのような方法も選択肢としてありだと思います。

人を雇う恐怖

しかし、一方で人を雇用するにはリスクもあります。
恐怖に感じることもあります。

退職の恐怖

人を雇うデメリットの一つに、退職のリスクがあります。

職員の方には当然のことながら、退職する自由があります。
退職となると途端に業務が行き詰まることになります。

今の時代簡単に後任の方を採用できるとは限りません。
少なくとも次の人が決まるまで、私がその業務を行うことになります。
すでに「人がいる」という前提で業務運営を行っているので、かなりの負担となるはずです。
人一人分の業務ですので。

ときどき、人づてに

  • 事務の職員の方が退職して、事務所の業務がまわらない
  • 勤務税理士が辞めてしまい、運営が立ち行かなくなった

という話を聞くことがあります。
こうなると恐怖でしかありません。

「仕事をつくる」恐怖

人を雇用した場合、その人にお願いする業務があるはずです。
ただ、その業務が毎日コンスタントに平均的に発生するわけではありません。

確定申告時期は繁忙期なので、お願いしたい仕事は山ほどあります。
しかし、これが日常ではありません。

関与先の決算期にも偏りがあります。
例えば、夏に決算期を迎える会社が極端に少なかった場合、お願いする業務はほとんどありません。
隔日勤務にしたいところですが、従業員の方がそれを望むかはわかりません。

「従業員のために仕事を作る」といった本末転倒な話になりそうです。

「人間関係」の恐怖

仮に私が人を雇用した場合、私とその方との間に「人間関係」が作られることになります。
もちろん、社会生活を営む上で日常的に人間関係は生じますが、同じ職場の場合その濃さが違います。

先日読んだ、

アドラーは「人間の悩みはすべて対人関係の悩み」(『個人心理学講義』)であり、「究極的には、われわれの人生において対人関係以外の問題はないように見える」( What Life Could Mean to You)といっている。

アドラー 人生を生き抜く心理学 NHKブックス 岸見 一郎著

というのは少し極端かもしれませんが、悩みの原因になるというのはわかります。
会社員、公務員を38年間してきた経験からも思います。

わざわざ悩みを増やす必要はありません。

本日のまとめ

現在は、雇用以外にもスポット的に業務をお願いすることもできるようです。
実際、そのような運営をされている事務所もあるようです。

しかし、そのように誰かに仕事をお願いするより前に、業務の必要性を見直す方が先のような気がします。

例えば、

  • 封筒の宛名書き
  • 郵送

といった仕事は、郵送を前提としています。
メールで送れば、このような業務自体不要です。

印刷も、ホチキス止めもいりません。

それ以外にも工夫の余地はたくさんありそうです。
会計帳簿の作成も、AI×エクセルで相当省力化が可能です。

業務の無駄を省いたり、効率化に注力した方が良さそうな感じがします。