税理士開業をして間もなく3年目に入ろうとしています。
この間、順調であったことも、なかったことも。
順調でなかったことの一つに「ミス」があります。
ミスをしないように努めていても、気持ちだけではどうならないところもあります。
税理士と「ミス」
私も含め、多くの税理士は大小さまざまなミスをしているのではないかと思います。
業務をしている中で、計算ミス、判断ミス、無知や無理解によるミス、手続のミスなどは起こりうることです。
「私は一度も間違いをしていない」と断言する方がいるかもしれません。
しかし、それは気が付いていないだけかもしれません。
こればかりは分かりません。
もちろん程度の問題はあります。
金額やリカバリーが可能かどうかによってもダメージは大きく違います。
ミスはどうして起きるのか
私の過去の経験からすると、ミスをする原因には大きく3つあるように感じます。
確認不足
これは非常に単純な話です。
例えば数字の入力で、「965」とするところを「695」と入力する誤りです。
不鮮明な資料だと「6」と「5」が読みにくいこともあります。
このような場面はよくありますが、チェックして直せばミスではありません。
入力時は単なる作成過程です。
問題は、この入力誤りに気が付かずに業務完了としてしまうことです。
検算できる内容であれば間違いに気づけるかもしれません。
例えば貸借対照表であれば、借方・貸方の金額合計が違っていれば、おかしいとわかります。
数字単独となると検算は不可能です。
これは、チェックを入念にするしか方法はないように思います。
数字以外にも、記入欄を間違えることもありえます。
これを防ぐには、
- プリントアウトしてチェックをする
- タブレット端末でチェックマークを付けながら確認する
- 時間を置いて見直す
といった感じでしょうか。
ただ、税金の数字は、何らかの数字とつながっていることがほとんどです。
数字全体を眺めることで、不自然さを感じることもできるかもしれません。
例えば、受取利息と源泉税のバランスが悪いと感じることで気が付いたり、昨年と大きく差が生じている科目は仮に入力ミスでなかったとしても確認すべき項目です。
知識不足
知識不足によるミスはわかりやすいと思います。
申告書の作成で、そもそも税法を知らなければ正しい申告ができるわけがありません。
例えば、初めて確定申告を行う場合、税金の知識が足りずに間違った申告書を作成しがちです。
これを防ぐには、研修などで地道に知識を増やすしかないように思っています。
また、「この分野について知識が不足している」と自覚をすることも大切と感じます。
もちろん受けた研修のすべてについて、その場で完全に理解できるわけではありません。
ただ、「研修で聞いたことがある」というだけでも、ミスの防止には役立つように思います。
慎重に調べようという動機になります。
知識が不十分と思えば慎重に確認するので、かえってミスは起こりにくいのかもしれません。
「高名の木登り」に通じる話です。
思い込み
ミスのうち、単純ミスはチェックで防ぐことができます。
また、知識が不十分と思えば、注意して対応します。
これらは、正しいものとの比較が可能です。
最も怖いのは、思い込みだと思っています。
これは日常の中でもたびたびあります。
- 漢字を間違えて覚えていた。
- オーストラリアの首都はシドニーだと思っていた。
といった思い込みです。
自分の知識が正しいと思っているので、確かめる動機がありません。
税理士業務でいえば、
- 申告期限の延長をしていると思っていたのに、未提出だった。
- 適用要件を間違えて覚えていた。
ということがありえます。
このようなミスは、税務署などから指摘を受けない限り誤りに気が付く機会がありません。
税額が少なければ指摘もあるかもしれませんが、多く払い過ぎている場合連絡があるかはわかりません。
ただ、人が思い込みやすい事例というのには、共通点もあると思います。
- ヒヤリハット事例(「こんなところに落とし穴! 税理士業務のヒヤリハット」ぎょうせい)
- 税理士賠償責任が問われた事例集(「判例から学ぶ 税理士損害賠償責任」大蔵財務協会)
などをときどき見返しながら、思い込みが生じていないか確認をするようにしています。
本日のまとめ
思い込みをなくすためには、税金以外のことも少しは役に立つかもしれません。
また、見方を変える習慣も必要と感じています。
税理士登録をしてから、もうすぐ3年目に入ります。
慢心が起こりやすい時期だけに、気を付けながら業務を進めていきます。

