相続で国民健康保険料(税)は増えるのか

草加市の税理士、横山です。

毎年確定申告時期には、「土地を売った」、「自宅を売った」という方からの申告書の作成依頼があります。

このような不動産の売却による利益(所得)は、譲渡所得として所得税の申告を行います。
その結果、翌年の国民健康保険料(税)がかなり高額になることもあります。

このことは、広く知られているようで、ときおり相続税のお客さまから「相続税の申告をすると、国民健康保険料もあがるのですか」というご質問を受けることがあります。

国民健康保険料(税)の計算

国民健康保険とは、職場の健康保険(社会保険)に加入していない人が入る、地域ごとの公的医療保険制度です。
主に自営業、農林水産業に従事する方、退職した方、フリーランスの方などが対象となります。

国民健康保険料(保険税ともいいます)は、自治体によって若干異なりますが、草加市の場合、基本額である「均等割」と、所得に一定割合を乗じる「所得割」の合計額で計算されています。

引用:草加市のHP

そのため、国民健康保険に加入されているお客さまから不動産売却の税務申告を依頼された場合、

  • 確定申告書に書かれている税額は、所得税の金額です。
  • これとは別に、市区町村から住民税の通知が来ます。

に加え、

  • 今年の健康保険料もアップするはずです。

と案内しています。

それまで、手元のお金をとっておいてくださいと付け加えています。

相続税はどうか

以上のように、国民健康保険に加入している場合、不動産の売却で多額の所得が発生すれば、基本的にこれと連動して保険料がアップする可能性があります。
それを聞いた相続税のお客さまから、「相続税の申告でも国民健康保険料が増えますか?」と尋ねられることがあります。

結論からいえば、相続で多額の資金を取得しても「所得」には該当しないため、そのことで国民健康保険料が増えることはありません。
贈与も同様です。

ただし、一部の自治体では、国民健康保険料の計算に固定資産税に基づく「資産割」が採用されています。
そのような自治体の不動産を相続した方には、影響する可能性があります。

本日のまとめ

多額の資金を得られる点では、不動産の譲渡でも相続・贈与でも同じです。
しかし、国民健康保険料に与える影響は大きく異なります。
この点、ご注意ください。