以前、国税庁の「確定申告書作成コーナー」を使って作成したデータを、顧客ごとに名前を付けて保存するVBAプログラムを紹介しました。
現在では、ChatGPTのような生成AIを活用して、プログラムを作成することが一般的になりつつあります。
これにより、深い専門知識よりも、プログラムを作るという発想と広く浅い知識が大切になったと感じます。
プログラミングの壁
従来、業務の効率化を目的としてVBAプログラムを作成する場合、以下のような壁がありました。
- VBAの開発環境を開く(Excelの「開発」タブを有効にし、VBAエディタを開く)
- VBAの文法を学ぶ(変数の宣言方法、関数の作成、オブジェクトの操作方法など)
- 繰り返し処理・条件分岐を理解する(For Next, If Then Else などの基本構文を習得する)
- プログラムを記述する(ファイル名や数値の定義、処理の流れを組み立てる)
- コードを実行してデバッグする(エラーの修正や動作確認を行う)
こうした一連の作業は、プログラムをつくる上で大きなハードルとなっていました。
生成AIの登場と影響
現在では、こうしたプロセスの多くが生成AIによって補助されるようになりました。
- VBAの文法を知らなくても、マクロのコードを生成AIに書いてもらえる
- 繰り返し処理や条件分岐の仕組みを理解していなくても、指示を出せば適切なコードを作成してくれる
- エラーが発生しても、どの部分を修正すればよいか質問すれば、適切に修正してくれる
これらにより、多くの人がプログラミングを活用しやすくなっています。
それでも必要な発想と知識
ただし、生成AIがプログラムを作ってくれるとはいえ、まったく知識が不要というわけではありません。
例えば、以下のような発想と、基本的な知識は必要になります。
- 業務の流れを理解し、「この作業をマクロで自動化できるのでは?」との発想
- 生成AIへの適切な指示
- 生成AIが作成したマクロを、Excelのどこに貼り付け、どのように実行するのかを知ること
これはVBAだけに限らず、Pythonなど他のプログラミング言語でも同様です。
例えばPythonであれば、
- どのファイルにコードを書けばよいのか
- どの環境で実行すればよいのか(Jupyter Notebook, コマンドプロンプト, エディタなど)
といった基礎知識は必要になります。
本日のまとめ
生成AIの登場により、プログラムを書くこと自体の難易度は大幅に下がったと感じます。
個人や小規模なチームで使うプログラムであれば、ほぼAIの力だけで作成することも可能になりつつあります。
今では、
- 「この業務をプログラムで自動化できるのでは?」という発想
- 生成AIが作ったプログラムを正しく実行するための最低限の知識
が重要になったように思います。
もちろん、プログラムの勉強は必要だとは思います。
しかし、深く専門的な知識がなくても、広く浅く知っているだけで十分に活用できる時代。
うまく生成AIを活用しながら、業務の効率化を進めていきたいと思います。