過去2回、現金勘定で覚える違和感について書きました。
今回は、預金口座です。
預金口座を素直に読む
例えば、このような預金口座があった場合です。
預金通帳は、ゆうちょ銀行を除き、「出金」、「入金」の順に並んでいるので、ここでは形式を合わせます。
違和感の前に、この口座を読み解くことからはじめます。

この口座からわかることは、
- 1行目 … 「給与」とあるので会社員、公務員等ではないか。給与支給日が21日なので、公務員の可能性が大きい。
- 7行目 … 学習塾の学費がある。
- 11行目 … 住宅ローンの支払いと思われる。
といったことです。
また、この口座からみる限り、生活が厳しいことも感じられます。
それは、
- 1行目 … 給料入金前の預金残高が582円(324,741-324,159円)
- 12行目 … 次の給料前の預金残高が539円
であることから得られる感覚です。
さらに、10月31日の取引も気になります。
給与の倍近い金額を支払っています。
振込手数料が880円なので窓口振込をしているはずです。
仕事が休みの日に振り込んだか、昼休みに手続きをしたのだと思います。
このような大金の振込先も確認したいところです。
違和感は何か
この預金取引1つ1つについてみていくことも大切ですが、全体を見て考えることも必要です。
この口座をみて不思議に思うのは、給与口座に現金入金がされていることです。
給与口座から他の預金口座へお金を動かすことはあり得ます。
例えば、
- 住宅ローンの返済を給与口座以外の銀行から行っている
- 給与管理と資産管理を分けて行っている
という場合、給与口座からお金を引き出すことはあります。
一方で、給与口座にお金を入金することは稀です。
給与口座に入金する原資としては、給与以外のお金であるはずです。
もちろん、臨時的にお金が不足して、他の預金口座から入金することは考えられます。
そのような入金であれば納得できます。
消費者金融からの借入かもしれません。
一方で、想像を膨らませた場合、賄賂など不正な資金を入金した可能性もあります。
実際のところ、この1か月の動きだけからは判明しません。
この月に限ってのことなのか、あるいは恒常的に行われているかも不明です。
さらに過去の取引をさかのぼり、比較対照することが必要になります。
本日のまとめ
給与口座に現金が入金されていることが問題なわけではありません。
ただ、「どうして」と感じることは必要だと思います。
疑問を感じることで、さらに深掘りする流れに続けていくことができます。