写真家から学ぶ「税理士の視点」

税理士という仕事は、外から見ればどれも同じように見えると思います。
日々の会計データを作成し、決算を組み、税務申告を行う。
ときには税金の相談に乗り、解決策を提示する。

どの税理士であっても、出てくる成果物は同じように思います。

ただ、仕事に対する視点は、それぞれ税理士の違いがあるように感じています。

写真家 ハービー・山口さんから感じるもの

私が大好きな写真家にハービー・山口さんがいます。

モノクロームのスナップ・ポートレイトが中心で、相手の自然な姿や表情を暖かい視点で撮影されているのが特徴です。
フォトエッセイの「良い写真とは」「HOPE 2020-」などは、手元に置いてときどき眺めています。
被写体の良さが最大限に引き出され、二次元の写真から言葉にできない温かみを感じることができます。

プロであれば、構図やカメラテクニックに秀でているのはどなたにも共通する話です。
ただ、そこにプラスアルファがあるのが、作風の違いに表れているように感じます。
特に、被写体が人物である場合、写真家の人格が強く反映されるように思います。

ハービー・山口さんは、素晴らしい技術をお持ちなことは言うまでもありません。
それに加え、写真を撮る時の心構えとして、「相手の未来の幸せを祈って、シャッターを切る」と話をされています。

さらに、男性を撮る時には「ファンレターを送るように」、女性を撮る時には「ラブレターを送るように」という気持ちを込めているそうです。

あのハービーさんならではの写真は、単なる技術の結果ではなく、カメラの向こう側にいる相手への「祈り」が写り込んだものなのだと実感します。

税理士はどうか

カメラのシャッターは、押せば誰でも切ることができます。
しかし、そこにどのような想いを込めるかで、写るものは変わるようです。

税理士の業務も同様かもしれません。
申告書という「結果」は誰が作っても同じに見えるはずです。
ただ、そこに至るプロセスにおいて「お客様の幸せを願う視点」があるかどうか。
それが、仕事の質や、お客様との信頼関係の深さを決めるように感じています。

単なる数字の整理ではなく、「この決算の先に、お客様の明るい未来があるように」と願いながら仕事を進める。
そのような姿勢が、良い結果に繋がるように思っています。

線引きも必要

ただし、税理士業務についていえば、一つの線引きは必要と思っています。
「お客様の幸せ」と「お客さまを喜ばせる」こととは微妙に違います。

例えば、過度な安値で提供したり、業務の範囲を越えてサービスをすれば、お客さまは喜んでくれるかもしれません。

しかし、それでは業務は長続きしません。
税理士側が疲弊し、限界が生じてしまいます。

また、行き過ぎた節税提案は、一時的には喜ばれても将来的なリスクを生むかもしれません。
もちろん「お客様の明るい未来」にもつながりません。

ここについてはバランスの問題ですが、長い関係性を考える上で大切なことと思っています。

本日のまとめ

ハービー・山口さんは、20代の頃ロンドンの地下鉄で、パンクロックの伝説 ザ・クラッシュのジョー・ストラマーから こんな言葉をもらっています。

「撮りたいものは全て撮るんだ、それがパンクだろ!」
(You can click away of whatever you want: That’s PUNK)

この話は、何度聞いてもいい話だと感じています。