昨年、社内従業員の不正動向として、警察庁が発表している「犯罪統計」の横領事件認知件数を紹介しました。
令和5年に顕著な増加がみられましたが、令和6年はどのような状況だったでしょうか。
増加の勢いは止まらない
昨年のデータに令和6年の数字を追加して作成したのが、次のグラフになります。

元の数字は、こちらになります。

平成29年から令和4年にかけて1,400件前後だった横領事件の認知件数は、令和5年には1,916件に急伸。
令和6年には2,365件と続伸しています。
グラフの出典
上記グラフ、表の出典は、警察庁が毎年公表している犯罪統計の「知能犯・横領」事件の認知件数となります。
従業員による社内不正としては、他に詐欺、背任などもあります。
ただし、詐欺については、統計で示される件数には特殊詐欺も含まれ従業員不正に限った数値ではありません。
また、背任は件数自体が少なく社内不正の動向とするには不向きです。
横領事件の多くは、社内で行われる業務上横領であり、ほぼ社内不正の動向を示していると思われます。
本日のまとめ
昨年(令和5年)に横領事件の認知件数が急伸したのは単なる一過性のものなのか、それとも、今後も伸長するのか気になっていました。
結果として、令和6年は令和5年に引き続き件数が増えています。
社内不正を行える環境があり、多くの人が不正を行っている現況が、この数値に表れたものと思います。
今や、社内不正の防止、万一発覚した後の対応策は、どの会社にも求められているといえそうです。