商工会議所で創業支援を受けた体験談

前回お話しした登録免許税が半額となる創業支援制度。
私が実際に支援を受けたときの体験談です。

会社を作った経緯

私自身、税理士・行政書士をしていますが、別に合同会社も設立しました。

税理士、行政書士がわざわざ法人をつくる必要性は本来ありません。
基本的に個人事業です。

ただ、税理士は、顧問先の会社経営を見るという立場。
これを逆から見て、自分でも体験することで業務に役立てたいという動機です。

  • 会社の設立手続
  • 会計ソフトの使いやすさ
  • 社会保険等の各種手続

などは、自分でしてみないと分からないことがあります。

もちろん体験だけでなく、事業目的をメインとしています。

創業支援の初回アポイントまで

自分の開業にあたり、まずは、埼玉県、草加市の支援制度のリサーチから初めました。
その中で見つけたのが、前回書いた登録免許税が半額になる草加市の創業支援制度。

この適用を受けるには、

  1. 創業ワンストップ相談窓口(草加商工会議所)
  2. 創業塾
  3. 草加市女性創業スタートアップ事業「わたしたちの月3万円ビジネスin草加」
  4. 創業窓口相談(公益財団法人埼玉県産業振興公社)
  5. 創業セミナー(公益財団法人埼玉県産業振興公社)

のどれか一つで指導、受講を受ける必要があります。

どれも受けてみたい内容ですが、私の場合には、地元の草加商工会議所の創業相談を受けることにしました。

初回は、2023年の10月下旬。
事前にアポイントの電話をして、日程調整を行います。

初回の様子

アポイントの日に、草加商工会議所を訪問。
かつて、簿記検定試験の合格証を受領しに来たことを思い出します。

窓口でご担当の方をお願いすると、パーティションで区切られた相談コーナーに案内されます。
ここで相談を行うことになります。

商工会議所というと、何か難しい会議をしているように感じますが、実際には地域社会の活性化、振興を目的としている団体のようです。

相談員の方の態度も口調も温和で、リラックスして相談することができました。

初回なのでこちらも特に資料もなく、まずは、予定している事業の概要を話し、相談員の方から適宜質問があるという感じです。

最初から具体的にキチキチと計画している方は少ないかと思うので、私のようにざっくりしたイメージで相談しても構わないのかもしれません。

ひととおり話が済むと「創業計画書」を作っていきましょうということになります。

創業計画書は自分で作成しても構いません。
ただ、創業計画を自分で作るとなるとフォームを作るのも大変ですし、漏れがあったりしても困ります。

そこで、相談員の方が勧めてくれたのは、日本政策金融公庫の「創業計画書」を使う方法。
フォームがしっかりしているうえ、公庫から融資を受ける場合には、記載内容をそのまま利用することが可能です。
また、日本政策金融公庫のサイトには記入例もあるので参考になります。

各種書式ダウンロード|国民生活事業|日本政策金融公庫
日本政策金融公庫(略称:「日本公庫」)のシミュレーション・各種お申し込み(オンラインサービス)をご紹介いたします。

上のリンクを開くと創業計画書、記入例があります。

出典:日本政策金融公庫サイト

第1回目は、事業の概要を話し、次回、創業計画書を提出することとなりました。

第2回目

初回から1か月程度経った11月に2度目の商工会議所を訪問しました。

宿題であった創業計画書をワードで入力し、これを確認してもらいます。

私の場合には、

  • 個人では税理士、行政書士の業務を行いたい
  • 法人として合同会社を設立したい

という内容でお話しをしました。

創業計画について確認を受けたところ、

  • 全体として計画は堅実
  • 個人と法人と分離した創業計画にして欲しい

という指摘がありました。

全体として計画は堅実というのは、店舗を構えたり設備投資が必要なく、少ない資金で開業できるという点を指してのことだと思われます。

また、個人と法人を分離するというのは、いわれてみれば当然のことです。

自分の頭の中では、両者を一体として考えていましたが、人格は別。
これを分けて書くことは当然のことです。

創業計画を書くことは少し面倒に感じましたが、項目を記入し埋めていくにつれ、想像が具体化していくのを感じることができます。

書くことで

  • 内容が整理される
  • 第三者に理解してもらえる書き方になっていく

というメリットがあります。

また、資金計画にしても甘さが見つかったりすることもあります。
担当の方からの集客の方法、具体的な事業予定を聞かれることも頭の整理になります。

第3回目以降

第3回目以降は、創業計画書のバージョンアップという感じになります。
より具体的になっていく感じです。
創業支援を受けるには、1か月以上継続して4回以上指導を受ける必要があります。

なお、初回は直接の面談が必要かもしれませんが、2回目以降は資料をメールで送付し、オンラインでの相談も可能のようです。

私は3回目は面談。4回目はメールとしています。

面談を通じて、

  • 思ったよりも親身に対応してくれる
  • 経営指標などのアドバイスも受けられる
  • 相談員の方と話すことで頭が整理されたり、気づきがある
  • 日本政策金融公庫から融資を受ける準備資料も作成できる

などがあります。

本日のまとめ

創業支援を受けるのは、登録免許税の半減が目的でしたが、創業についての知識も身につけることができました。

また、相談の途中で、

  • 日本政策金融公庫の融資相談会があるので参加してみます?

とのお誘いもあり、こちらも別途融資相談を受けることができました。

いきなり公庫を訪問するよりも、商工会議所を通じて話をしていただけるのであれば話が通じやすいかと思います。

4回目の相談が終わると、支援修了証が発行されます。
この修了証を市役所に提出することで、登録免許税半額の書類交付を受けることが可能となります。

自治体、商工会議所によって制度は異なるかもしれませんが、登録免許税の減額以外にもメリットのある創業支援と感じました。