私は25年間、警察官として勤務した後、税理士として独立開業しました。
それまで税理士事務所での勤務経験は一度もありません。
「実務経験なしで、よく独立しましたね」
そう言われることも多くあります。
開業後1年半の到達地点
税理士登録が令和6年6月のことなので、開業後約1年半が経過したことになります。
まだまだ税理士業務について知らないことも多いですし、オペレーションも改良の余地が多々あることは実感しています。
税理士として「成功」しているわけではありません。
とはいえ、徐々にお客さまも増え、現在は「仕事として税理士業が成り立っている」といえる規模まで成長することができたように思います。
税理士開業を始めたころ、周囲からは「実務経験なしなんですか?」と言われることがたびたびでしたた。
ただ、私自身は、それほど特別なことだとは思っていません。
もちろん、経験がないことへの不安は誰にでもあるものですが、ないことが大きなデメリットであると思ったことはありません。
周囲の方の話を聞くと、
- 税理士試験に合格はしたけれど、独立開業は心配
- どこか事務所に勤務しないと、開業はできないのか
と思われている方も多いようです。
このブログでは、今後、未経験からの開業談を不定期にシェアしていく予定です。
私のキャリア:合格から開業までの25年
私が税理士試験に合格したのは平成9年のことです。
当時メーカーの経理部門で勤務し、その間に税理士試験に合格することができました。
その後、平成11年に埼玉県警に採用され、そこから25年間、警察官として財務捜査に従事してきました。
当然、警察に勤務している間は税理士としての仕事はしていません。
唯一の実務経験といえば、警察に入る前にメーカーの経理部門で働いていた数年間のことだけです
(税理士登録時も警察での捜査経験は実務経験にカウントするのが難しいと言われ、メーカーでの実務経験で登録しています。)
つまり、私の税務・経理の実務経験は、30年近く前の数年間のメーカー経験のみ。
そんな状態からのスタートです。
税理士事務所での経験は「必須」とは思わない
「税理士として独立するには、事務所勤務が不可欠だ」という意見は多く、それは一つの正解だと思います。
しかし、私はそれが「絶対的な必須事項」だとは考えていません。
未経験で開業する方が抱く不安は、大きく分けて次の3つだと思います。
1. 税務知識の不安
まず、実務で直面しそうなのが、税金の知識です。
ただ、この税務知識についていえば、会計事務所での勤務経験がないことは大きなハンディではないように思います。
会計事務所に勤務していれば、自然に税金の知識が増えるわけではありません。
また、「完璧に理解してから開業」というのは現実的ではありません。
それでは永遠に開業することは不可能です。
税法については、自分で勉強するしかないように思います。
私の合格科目は法人税法・酒税法・国税徴収法で、所得税や相続税は試験で選択していません。
また、私が受験していた当時「ミニ税法」扱いされていた消費税の知識はいまや必須事項です。
これらの勉強体験談についても、今後触れていきたいと思います。
2. 実務・事務作業の不安
税法については自分で学ぶことができますが、実務については会計事務所勤務が圧倒的に有利です。
- お客様とのコンタクトの取りかた
- 完成した申告書の納品の仕方
- 税金の納付方法
- e-TaxやLTAXの使い方
- 年間スケジュール
- 顧問先を何件持てるかというボリューム感
- 会計ソフトや税務ソフトの選び方と使い方
こういったことは、これらは事務所経験があれば自然と身につくはずです。
この点については、実務を通して自分なりに模索しながら構築していることろです。
3. 経営が成り立つかへの不安
税理士登録をすれば誰でも税理士にはなれますが、仕事として成り立つかは別問題です。
ただ、この点についても、会計事務所に勤務すれば顧客獲得の方法が身につくとは限りません。
勤務税理士が顧客獲得を担当するかもわかりません。
方法を知ることはできるかもしれませんが、実体験とはなりません。
大勢の職員がいる事務所と小規模の事務所では方向性も違うように思います。
本日のまとめ
そもそも、「税理士事務所での勤務経験」と「実務経験」はイコールではありません。
勤務経験以外に実務経験を学ぶ場はないわけではありません。
また、税理士事務所に勤務するといっても、自分が目指す事務所と同じでないと意味が少ないように思います。
私のように、ひとりでの税理士を目指している場合、そもそもモデルになる税理士事務所に勤務することが不可能です。
税理士事務所に勤務することにより、「業界の常識」に染まってしまう危険性もあります。
数年税理士事務所で経験を積むことも悪くはありませんが、事務所経験がなくても開業は可能だと思っています。
まだまだ「このようにすれば良い」という話ができるレベルではありませんが、体験談を今後ブログでシェアできればと考えています。


