先日、川口市内で「終活セミナー」を実施しました。
その中でお伝えしたことの一つに、遺言書があります。
主に
- 財産の分け方を明確にしたい
- 相続争いを防止したい
という理由で作成されることが多いと思います。
これに加えて「遺産分割協議が不要になる」というメリットもあります。
相続開始後の手続き
相続が始まった後、相続手続きについて相談を受けることがあります。
その際、最初に伺うのは「遺言書の有無」になります。
遺言書があれば、原則として遺言書のとおりに、相続手続きが行われます。
一方、遺言書がない場合には、基本的に相続人の間で遺産分割協議が必要となります。
話し合いの結果、全員が合意すると遺産分割協議書の作成に移り、その内容にもとづき相続手続きが行われます。
誰か1人でも同意をしない場合、遺産分割協議は成立しないことになります。
遺産分割協議が難しいケース
遺産分割協議がなかなか整わないケースとしては、次のようなことがあります。
- 相続人間で意見対立がある
- 海外に居住している相続人がいる
- 入院中の相続人がいる
- 所在不明の相続人がいる
- 意思能力がない相続人がいる
このような場合、遺産分割協議に時間がかかり、相続人にも負担がかかります。
事前に遺言書を作成しておけば、遺産分割協議は不要です。
遺産分割協議が難しいと予想される場合、遺言書の作成は重要となります。
相続不動産の3年以内登記申請義務化も行われています。
難しくない場合でも
遺産分割協議に支障がなさそうな場合でも、遺言書があれば、相続手続きを円滑に進めることができます。
遺産分割協議書を作成するには、相続人が、
- 戸籍を集める
- 財産を調査する
- 遺産分割協議をする
- 遺産分割協議書を作成する
といった手続きを行う必要があります。
相続人が1人などの場合を除き、相続全体を通じて、何らかの書類が必要となることがほとんどです。
遺言者が遺言書を作成しなければ、相続人が遺産分割協議書を作成することになります。
遺産分割協議書の作成を行政書士などに依頼する場合には、費用も発生します。
相続人の負担を減らすためにも、遺言書をつくる意味はあるといえます。
本日のまとめ
先日の終活セミナーでは、円滑な相続手続きの観点から遺言書について話をしました。
「うちは相続で揉めることがないから遺言書は不要」とはよく聞く話です。
一方で、遺言書の別の効用にも目を向けていただければと思います。