先日、銀行からのお知らせメールで「オンラインカジノを利用した賭博は犯罪です」との注意喚起が届きました。
普段はメンテナンスの案内程度しか来ないので、少し異例のメールです。
それだけ深刻な社会問題になっているのだと思います。
オンラインカジノによる賭博が犯罪であることはもちろんですが、ギャンブルから派生する不正も多いと感じます。
ギャンブルの借金を返したい
業務上横領事件の動機として多いのがギャンブルによる借金返済です。
ギャンブルで多額の借金を抱え、これを返すために会社の資金に手を付けるというもの。
分かりやすいパターンです。
借金が膨らめば返済額も増え、さらに督促もやってきます。
徐々に金が回らなくなり、最終的に会社の資金で穴埋めをする。
業務上横領事件に多い典型です。
- ギャンブルで作った借金返済に困り、会社の普通預金口座から資金を着服した
- 横領した金を競艇などのギャンブルや消費者金融の借金返済に充てた
などの報道をよく見ます。
ギャンブルをするお金が欲しい
ギャンブルでできた借金を返す以外、会社のお金でギャンブルをすることもあります。
こちらも目にすることの多い事例です。
三菱UFJ銀行、ハナ信用組合の貸金庫事件でも使途としてギャンブルが出てきます。
多額事件としては、大手製紙会社の会長が、連結子会社から100億円超を引き出したとして特別背任罪の疑いで検挙された事例もあります。
ほとんどの資金をギャンブルに使ったとのことです。
形式的には子会社からの借り入れとはいえ、大半は取締役会の決議や契約書の作成もない、杜撰な状態だったと報じられています。
検挙された時点では借りた金の半数近くが未返済だったようです。
業務上横領事件の捜査で、会社の金でギャンブルをしていたことは珍しくありません。
実際には、ギャンブル → 借金 → ギャンブル という循環の中で行われることが多いように思います。
不正を行うギャンブラーのほとんどは借金を抱えています。
ギャンブルは、元手が大きいほど儲けも多くなります。
また、ギャンブルで大きく勝てば、これまで不正に引き出していた会社の資金を一気に返済できる可能性もあります。
実際、ある窃盗容疑を報じる記事に、
「(窃取した資金を)軍資金にギャンブルでもうけて返却するつもりだった。」
とあります。
ギャンブルで儲ければ、これまでの不正が隠蔽できるほか、うまくいけば利得を得ることも可能です。
本日のまとめ
オンラインカジノを利用した賭博は違法であることはもちろんですが、それ以外の不正の原因となる可能性があります。
ギャンブルと不正の関係は深いと感じています。