告訴事件捜査と総選挙

一部報道によると、自民党の総裁選後に衆議院の解散総選挙が行われる可能性があるようです。
選挙となると、告訴事件捜査にも少なからず影響が出そうです。

総選挙と取り締まり

自民党の岸田総裁は次回総裁選挙への立候補は行わないとのこと。
総裁選挙の日程は、9月12日告示、9月27日投開票と決まったようです。
今日(2024年8月26日)時点での話です。

そして一部報道によれば、その後解散総選挙の可能性があるとか。
総裁選挙の結果や内外情勢を踏まえての判断になるでしょうから、あくまでも可能性です。

総選挙が行われることになると、警察では選挙違反取締本部が設置されます。
前回総選挙の取締本部に関するネット記事は探せませんでしたが、2023年の統一地方選挙では埼玉県警の場合、県警本部長をトップとした289人体制での取締本部のほか、各警察署にも取締本部が設置されたそうです。

この取締本部を実質的に取り仕切るのは、刑事部の捜査二課。
警察署の場合、知能犯係。
多くの捜査員が選挙違反対応に従事することとなります。

警察は、選挙違反の取り締まりには相当注力しています。
新聞などをみると、大規模選挙の前には臨時署長会議も開かれるようです。
公正で自由な選挙は、民主主義の基本。
選挙に違反がないよう、公正適正な取り締まりをしてもらいたいものです。

告訴事件への影響はあるのか

ところで、選挙違反の取り締まりに人員を割くということは、他の業務への影響が懸念されます。
選挙違反を取り締まるために、臨時に職員が採用されるわけではありません。

通常業務のほかに選挙違反取り締まりを行うか、場合によっては通常業務から離れて取り締まりに当たるのかもしれません。
重要性が高く、日にちも決まっている選挙対応に捜査員が割かれることが想像できます。

選挙違反の取り締まりを行うのが、本部でいえば捜査二課、警察署でいえば知能犯係が中心となります。
詐欺、横領事件捜査も同じ捜査二課、知能犯係が担当しているため、業務が重なることになります。
ただし、告訴事件でも傷害、窃盗等であれば捜査二課、知能犯係は基本的に関係ありません。

選挙となると、知能犯事件の告訴事件捜査に影響があるかもしれません。

とはいっても

選挙違反取り締まりの重要性はあるにしても、告訴事件の捜査も進めてもらわなくてはなりません。
警察も「選挙期間中なので、告訴は受理できません、告訴は捜査をしません」ということはできないはずです。

また、部署には係があり、それぞれの分担が決まっています。
全員が選挙違反の取り締まりに従事するわけではないはずです。

告訴人が、不必要に警察に遠慮する必要はありません。
事件相談、事件捜査は早めが大切。
証拠も、関係者の記憶も薄くなってしまいます。

本日のまとめ

総選挙となれば、警察の捜査二課、知能犯係は忙しくなります。
だからといって、不必要に遠慮する必要はありません。

ただ、もし可能であれば、多忙となる前に相談等を行うほうが良いかもしれません。
日程調整もしやすいかと思います。