警察からのLINE「逮捕状」 ~ 嘘の見破り方

警察官をかたり、現金を要求する詐欺が後を絶ちません。
手口の一つに、LINEなどのSNSで「逮捕状」や「警察手帳」を示すという方法もあるようです。

身に覚えがないとはいえ、突然のこととなると動揺してしまいます。
制服を着た警察官も登場するようです。

もちろん、これらはすべて嘘です。
そもそも警察では、個人への連絡方法としてLINEを使っていません。

警察ではLINEを使わない

警察を定年退職した後も、OB間で連絡をとりあうことがあります。
現役時代からスマホを普通に使っていた方であっても、連絡方法はショートメッセージやメールが中心です。

理由としては、警察在職中はLINEの業務使用が禁止されていたためと思います。
おそらくセキュリティの問題です。
警察を離れた後もLINEが少数派なのは、そのためかもしれません。

業務と関係のない私的なやり取りについては、LINEを利用しても構いません。
ただ、プライベートな連絡といっても、警察官同士であればどうしても業務と関連することが出てきます。
LINEを使うにはリスクがあります。

警察内部で業務使用が禁止されているLINEです。
これを、警察外部の人に「逮捕状」「警察手帳」で使うことはありえません。
その段階で「嘘」とわかります。

LINE以外のSNSも業務使用は認められていませんでした。
ビデオ通話、インスタグラムなどを使って警察がコンタクトをとることはありえません。

本日のまとめ

警察がLINEなどのSNSを一般の方向けの広報として使用することはあっても、個人への連絡方法として利用することはありえません。
本人かどうかわからない相手に対し、逮捕状、捜索差押令状などを呈示するわけがありません。
そもそも、令状は現場において執行するもので、事前に見せるものでもありません。

詐欺の手口も巧妙化しています。
先日の新聞記事にも、短期滞在外国人が「受け子」となるケースが紹介されていました。
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO92059110R21C25A0CE0000/
気を付けたいものです。