「警察に入る」というと、高校や大学時代に採用試験を受けるというイメージがあるかもしれません。
しかし、意外と民間企業からの転職者も多いと感じています。
財務捜査官もそうですし。
民間企業3社で13年、警察勤務歴25年の私が感じた、転職先としての警察の良いところです。
デメリットについても、後日、触れる予定です。
30代でも転職可
民間企業からの転職先として、公務員は一つの大きな候補だと思います。
転職市場が流動化しているといっても、大企業へ正社員として転職するのが難しいのが現実です。
30代となると、即戦力が求められさらに条件は厳しいと聞いています。
一方で、公務員については採用の年齢制限が緩和、撤廃される方向にあります。
現在、多くの警察では受験上限齢を35歳未満としています。
警察はそれぞれの都道府県で大きな組織です。
埼玉県警の場合、職員数は約1万2,000人。
大企業といってよい規模です。
研修がしっかりしている
民間と警察では、まったくの異業種です。
転職した後、業務に対応できるかが気になります。
その点、警察はとにかく、研修に熱心です。
まず、「警察学校」があります。
採用されたら都道府県の警察学校へ入校するほか、その後昇任するごとに、地域ブロックごとの管区学校、全国組織の警察大学校で研修を受けることになります。
また、専門的な知識を習得するための「専科」という課程もあります。
人事異動がある
人事異動があるというのは、大きな組織のメリットだと感じています。
異動サイクルは5年程度なので、仮に自分と合わない人がいても、2~3年でどちらかが異動することになります。
幹部だと、1~1.5年で異動です。
私が従業員100人程度の会社に勤務していた頃は、ほぼ異動なし。
人数が少ないので、異動先が限られています。
その後に転職した会社では従業員の数は多くても、経理についていえば、ほぼ異動はありませんでした。
職場の人間関係をプチリセットできるのは、メリットと感じます。
倒産しない
公務員に共通する点ですが、自分が勤務している職場が倒産しないという安心感はあります。
特に、リストラなどを間近に見てきた方にとっては切実な問題かもしれません。
会社の業績は、自分一人の努力では何ともなりません。
経営者の手腕などの内部要因や、世界経済など外部要因によって、良くも悪くもなります。
もちろん安心感が行き過ぎると「お役所仕事」になりますが、これは本人の気持ちと、マネジメントの問題です。
少なくとも、私の周囲では勤務意欲のない人は、少数。
安心して今の仕事に専念できるというプラスの面の方が強いように思います。
業務の幅が広い
警察の業務範囲は、相当広いと感じています。
法律でも、「個人の生命、身体及び財産の保護に任じ、犯罪の予防、鎮圧及び捜査、被疑者の逮捕、交通の取締その他公共の安全と秩序の維持に当ることをもつてその責務とする。」と定められています。
かなりの守備範囲です。
現場でいえば、交番もあれば、白バイもあり、刑事もいます。
財務捜査や鑑識といった専門性の高い分野もあります。
また、人事、広報、文書管理、情報システムなどの事務業務もあります。
扱う分野が広いので、何かしら自分に合う業務があるはずです。
本日のまとめ
民間で3社勤務し、その後警察へ入った経験からいえば、どの組織にも、良い点、悪い点があります。
ユニークなところがあっても、警察が特別な組織というほどではない感じもします。
今回は、民間と比較して感じたメリットを書いてみました。


