相続税で宅地を評価する場合、土地にがけ地が含まれているときには一定の評価減を行うことができます。
地図の等高線やストリートビューで地形を想定することのほか、国土地理院地図の標高情報も参考になります。
宅地評価とがけ地
宅地の評価にあたり、がけ地がある場合にはその占める割合などに応じ、一定の評価減を行うことができます。
「がけ地等を有する宅地の評価」
国税庁HP → https://www.nta.go.jp/law/shitsugi/hyoka/03/20.htm
もちろん現地に行って、現場を確認するのが基本です。
ただ、実際に行く前にある程度の準備ができれば万全です。
相続人の方から話を聞く、地図で確認する、ストリートビューで見るなどの方法のほか、地理院地図の標高データで調べておくこともできます。
地理院地図の標高データ
国土地理院の電子地図は、検索でもすぐヒットします。
こちらで閲覧が可能です。 https://maps.gsi.go.jp/
電子地図には、中心点の緯度経度と合わせて左下に標高も表示されます。
例えば、草加駅西口前に中心点を示す十字マークを当てると、標高3.6メートルであることがわかります。

標高の右に示されている「データソース:DEM5A」とは、航空レーザによる5メートルメッシュでの測定値です。
標高精度は±0.3mと精度の高いものとなっています https://maps.gsi.go.jp/development/hyokochi.html 。
2地点の標高と水平距離がわかれば角度が求まります。
距離も地理院地図で測定することができます。
自分で角度を計算するのが面倒なら、生成AIに任せてもかまいません。
こんな使い方も
2地点の標高と水平距離から角度を求めるほか、断面図にすると形状まではっきりとします。
地理院地図上部の「ツール」から断面図が作成できます。
直線だけでなく、複数の地点を結ぶことも可能です。
渋谷の道玄坂から宮益坂を通る断面図を作ってみると、渋谷駅周辺が低くなっていることがわかります。

相続税評価で使うかどうかわかりませんが、機能としては便利だと思います。
本日のまとめ
国土地理院の標高測定数値は図上の数値であり、誤差も考慮すると参考とはなります。
ただ、地図でおおよそのことを調べられるのは便利です。
地理院地図の標高は多くの地点で5メートルメッシュですが、現在、より精度の高い1メートルメッシュの整備が進んでいます。
さらに使いやすくなるのではと想像しています。