先日、地元法人会が主催する若手後継者、後継の経営幹部を対象とした「マネジメントビジネススクール」の一コマとして、「決算書の読み解き方」の講師を務めました。
以上の内容は、法人会のHPに掲載もされています。
http://www.kawaguchi-houjinkai.or.jp/archives/7025
この中で、私がお伝えした内容のポイントを紹介します。
セミナーでのポイント
与えられたタイトルが「決算書の読み解き方」。
つまり、「読む」「解く」の2つが関連してきます。
決算書の「読み方」は立場で違う
これまでの私の経験上、同じ決算書でも「読み方」は立場によって違いがあると感じています。
- 上場会社の株主は、株取引の判断材料として決算書を見る
- 銀行の融資担当者は、決算書から返済能力を見る
- 警察は、事件の発見、不正の立証のために決算書を見る
など、立場によって見方は違ってきます。
「決算書の見方」に関する本はたくさんありますが、すべてが経営者目線とは限りません。
ターゲットを絞って話をすることにしました。
自社の決算書を読み解く
「解き方」に関しては、今回のセミナーでは他社比較は行っていません。
同業他社と比較して経営を知る方法もありますが、まずは、自社の決算書を読み改善点を考えたいと思います。
講義では、仮の貸借対照表、損益計算書を使い、決算書の見方を説明しています。
貸借対照表と損益計算書のつながり
貸借対照表と損益計算書の基本的な構造を説明したうえで、両者の関連についても触れました。
一見、別々の計算書類と思いがちですが、両者の役割とつながりについて大きな枠組みを説明しています。
比率分析の意味を説明
決算書の分析では、「自己資本比率」「回転率」などいくつか重要な比率が登場します。
なるべく数式は使いたくないのですが、最低限の比率についてはお伝えせざるを得ません。
概要だけでなく、きっちりと数字を出すこともときには必要です。
ただ、機械的に算式を示してもその場限りで記憶は定着しません。
後日決算書を前にして内容が読み解けるよう、比率の意味についても説明を加えました。
決算書は並べること
決算書の分析は、1期だけでは不十分です。
今年の決算は、過去が基礎となっています。
例えば、「売上高1億円」といっても、昨年が8,000万円だったときと、1億2,000万円だったときでは意味が違ってきます。
決算書は数期並べ比較することでも気づきもあります。
過去と比べ、推移を知ることもポイントとして話をさせていただきました。
本日のまとめ
今回は、全部で7回にわたって行われる「マネジメントビジネススクール」の一コマとして登壇しました。
決算書について私だけで完結するわけではありません。
開催は、いずれも平日の午後6時30分からの1時間半。
参加者は、業務終了後にセミナーに出席されているはずです。
業務多忙な中参加された方々に少しでもお役に立てたならば幸いです。