先日の報道によると、マイホームの建築を依頼した直後に工務店が倒産したとのこと。
記事には、「計画倒産ではないか」とあります。
計画倒産かどうかを見分ける方法の一つに、資金の流れの解明があります。
計画倒産
計画倒産とは、あらかじめ倒産させることを計画し、意図的に債務を支払わずに会社を破綻させることをいいます。
銀行からお金を借りて、直後に倒産をさせることも考えられます。
また、顧客から入金を受けながら契約を履行せずに倒産させるケースも該当します。
もちろん、最初から倒産させる予定ですから、相手を騙していることになります。
罪名的には詐欺罪が適用されるはずです。
しかし、倒産イコール詐欺ではありません。
お金を借りて経営を立て直そうとしたのに失敗することもあります。
また、建設資金を受け入れた時点では、家を完成させられると考えていたかもしれません。
詐欺とするは、相手に申し向けた時点で騙す意思が必要です。
結果的に返せなくなったのか、それとも騙すつもりだったのかを見極めるのは簡単ではありません。
見極めの一つとしての財務捜査
突然の倒産に詐欺の可能性があるのか。
その見極め方法の一つに、使途があります。
例えば、銀行から入金された資金を、借入申込書に書いたとおりに会社の事業に使っているのであれば、とりあえず詐欺ではなさそうです。
工事代金として受けとった資金を、その工事代金に充てている場合も同様です。
一方で、入金された資金を社長の個人的用途や、現金として引き出したのち、その先の行方がわからなければ詐欺が疑われます。
もちろん、これが最終的な判断ではありません。
事業や工事代金に充てていたとしても、倒産していることは事実です。
なぜ倒産したのかを深掘りする必要はあります。
ただ、一つの見極めとして使途を調べるのは基本的なことです。
その他の見極め
資金使途は、計画倒産であるかどうかの、判断材料の一つです。
これ以外にも、
- 破産に向けた準備時期
- 会計帳簿の解明
- 会社関係者の話
- 倒産の原因
- 経営者の認識
など総合的な判断は必要です。
銀行の取引記録が入手できれば、資金使途は短時間で確認が可能です。
その点で、早期の事案判断に有効といえます。
本日のまとめ
会社が突然倒産すると、計画倒産ではないかと疑われることが多いように思います。
その一つの判断材料として資金使途の解明があります。
倒産に関連する不正は実際に多いように感じています。
計画倒産に限らず、
- 粉飾決算
- 背任
- 横領
- 詐欺破産
の有無など、多角的に調べる必要があるかもしれません。