このところ、弥生会計へ他社の会計ソフトから仕訳データをインポートする機会が増えてきています。
他社の会計ソフトから弥生会計へ仕訳をインポートするには、A列に「識別フラグ」を記述する必要があります。
前回はChatGPTで行いました。
今回はそのときの会計ソフトと形式が違うため、同じ方法は使えません。
エクセルの関数で対応しました。
弥生会計の識別フラグとは
弥生会計の識別フラグとは、弥生会計に他社会計ソフトの仕訳をインポートする際に記述が求められる項目です。
必須項目となっています。

要は、
- 1対1仕訳であれば「2111」
- 複合仕訳であれば「1行目に2110 中間行に2100 最終行に2101」
をつけるということです。
この識別フラグがないと、データを受け取った弥生会計側で、仕訳をどこで区切っていいのかが判断できません。
そのために、必須フラグとなっているものと思います。
インポートする他社ソフトのデータに類似の識別フラグがあれば、置換などで対応は可能です。
しかし、そのような識別フラグがなければ、こちらで識別フラグを書かないとなりません。
複合仕訳の見分け方
複合仕訳とは、借方・貸方の勘定科目が複数行にわたっている仕訳をいいます。
給与支払など振替伝票に多いパターンです。
伝票番号が付されていれば、伝票番号で複合仕訳が一つの判断材料となります。
同じ日付で同じ伝票番号の仕訳が複数あれば複数行の仕訳になるはずです。
これは、前回のブログでとりあげた内容です。
1対1仕訳であれば、伝票番号は1つ。
複合仕訳であれば、同じ伝票番号が複数存在することになります。
私が今回受け取ったデータには、日付はありますが伝票番号がありません。
この場合、1対1仕訳と複合仕訳を簡単に見分けることができません。
「諸口」に注目した
今回のデータはこちら。
よく見ると、複合仕訳には「諸口」とあります。
簿記3級で習ったとおりです。
これであれば、諸口を切り口に複合仕訳が判定できそうです。

借方・貸方の科目を”&”で1つに
複合仕訳には必ず「諸口」がでてくるのであれば、
- 借方・貸方のどちらかに「諸口」があれば複合仕訳
- それ以外は1対1仕訳
ということになります。
そこで、借方と貸方の科目を”&”で結びます。
これで、諸口が含まれている仕訳を抽出しやすくなります。

複合仕訳に「〇」をつける
「借方&貸方」列に「諸口」が含まれていれば「〇」を付けることにします。
フィルター機能を使いました。

フィルターがかかった箇所に「〇」をつけます。
フィルターを解除すると、複合仕訳には「〇」が続いています。

最後は関数で
最後は、if文で識別フラグを付けることにしました。
前後の行を参照し、複合仕訳を示す、「〇」がついているかで判定しています。
- 〇がついていて、前行には〇が付いていない → 複合仕訳の先頭行「2110」
- 〇が付いていて、次行にも〇が付いている → 複合仕訳の中間行「2100」
- 〇が付いていて、次行には〇が付いていない → 複合仕訳の最終行「2101」
- いずれにも該当しない → 1対1仕訳「2111」
ということになります。

本日のまとめ
このところ、事務所で使っている弥生会計に他社ソフトの仕訳データをインポートする機会が何度かありました。
インポートしようとする仕訳データの形式はさまざま。
これを弥生会計に取り込むには、少し工夫が必要となります。
何度か試行錯誤を繰り返したおかげで、少しコツもつかめた気がします。