社内不正があった場合、その損害は金銭面だけにとどまりません。
被害者のメンタルにも大きな傷を残します。
金銭面での損害
社内不正があった場合の直接的な損害は、言うまでもなく金銭です。
横領、詐欺、背任等の罪名を問わず、会社の財産が犯人の手中に入った段階で会社から資金が流出しています。
もちろんこの被害は損害賠償として請求することは可能です。
しかし、裁判を起こして請求が認められたとしても、現実的に返済を受けるのは難しいと聞いています。
横領などの動機は、ギャンブル、遊興等がほとんど。
お金は使われてしまっていて、不正行為者の手元に残ってはいません。
「貯金している」ということはまずありません。
ブランド品の購入であれば、多少は換価できるかもしれませんが、全額回収には至らないようです。
精神面での損害
被害者の損害は、お金だけではありません。
お金の管理を任せていた人が精神的なダメージを受ける場面も多く見てきました。
特に、会社の社長です。
社長は、信用できると見込んだ経理担当者にお金の管理を任せています。
会社の命ともいえるお金を託していた経理担当者が、会社の資金を横領していた。
これがわかったときの無念さは、察するにあまりあります。
特に社長が自分で面接をして採用した人であったり、普段から目をかけていた人であればなおさらです。
これまで経営に自信を持っていた社長が、「人を見る目がなかった」と落胆することもあります。
心の回復は容易ではありません。
著名人の発言にも
著名人も、信頼していた人による不正被害を受けています。
大リーグの大谷選手は、元通訳に多額の資金を詐取されました。
この事件が発覚した当時、大谷選手は、
「信頼していた方の過ちが悲しく、ショックを受けている。チームの関係者やファンの皆さまにとっても厳しい1週間だった。現在進行中の捜査もあるので話せることに限りもあるが、経緯を説明したい」
2024/3/26付 日本経済新聞 夕刊
と答えています。
また、歌手のaikoさんは、自身が代表取締役を務める会社の元取締役による特別背任の被害にあっています。

裁判の中で、aikoさんは、
「ライブで見ている景色はずっと変わらないのに、金が厳しいと言われたときに自分の中でずれが生じた」「現場の空気が重くなるくらい毎日つらかった。全てにおいて洗脳されていました」
2024年6月18日配信 Yahoo!ニュース(ANNニュース)
と証言したとのことです。
本日のまとめ
不正が与える損害は、金銭だけに限りません。
任せていた相手に裏切られることで、人への信頼感、自分自身の自信を喪失することがあります。
社長や著名人など多忙な方は、金銭管理を他人に任せざるをえません。
「信頼して任せる」ことと、「チェックをする」ことの両立が必要になります。
- 不正が起こらない仕組みをつくる
- 適宜チェックをする
- 少しでも不審を感じたら、調査を行う
といった対策が特に重要と感じます。