警察在職中は、職場研修の講師として登壇する機会がたびたびありました。
例えば、
- 財務捜査
- 決算書の分析
- 帳簿の見方
- 簿記の授業
など。
中でも、警察大学校に2年間派遣されていたときには、教えるのが業務。
全国から集まる警察官に財務捜査について授業をもっていました。
財務捜査が中心の研修ではありましたが、「お金の基本」の研修も好評だったかなと思います。
警察における「研修」とは
警察では、教育、研修にとても力を入れている組織だと感じます。
警察官として採用されたら、警察学校に入校。
高校卒業者は10か月間、大学卒業者は6か月間、警察官として必要な知識・技能を身につけます。
私が大学卒業後に入社した信託銀行では、研修期間は2週間程度。
あとは配属先で実践です。
おそらくほとんどの企業も同様だと思います。
これに比べると警察の研修はかなり手厚いと感じます。
研修も採用時だけではありません。
巡査部長、警部補に昇任した場合には、管区学校での研修。
警部に昇任した場合には、警察大学校での研修。
また、各学校では、分野に特化した「専科」も実施されています。
これだけ教育に力を入れている組織は他にあまりないのではと感じます。
ちなみに、警察では、教育、研修とは言わずに「教養」と言います。
研修を受けることは「教養を受ける」というのが、警察用語です。
この、「教養」という言葉の使い方は一般的ではありませんが、辞書を引くと教養には「教え育てる」という意味もあるようです。
財務捜査の職場教養
私も財務捜査官として、各種教養を実施してきました。
財務捜査官として話をしていたのは、
- 経済事件の捜査方法
- 帳簿の見方
など専門的な教養が中心でした。
これらの授業は、基本的に学生(警察官)もまじめに聴いてはくれますが、ちらほら関心が低い受講生を見受けることもあります。
普段接していない簿記や決算書の話ですし、それほど面白いものではありません。
気持ちとしては、わかります。
また、どの職場研修も同じですが、本人の希望というよりは職場命令で受講することも多いはずです。
お金についての職場教養
ところで、これとは別に財務捜査官の経験を活かした「お金の基本」と題した教養も担当していました。
若手職員に対し、お金に関する基本的な話をする講義です。
財務捜査では、横領、詐欺、贈収賄、背任事件を扱い、お金の裏側も見ています。
お金の失敗にも数多く接することになります。
不正を行った容疑者も、ほとんどの場合、不正とは無縁の生活をしていました。
入社式のときに「職場からお金を騙し取ろう」などと考えていた人は、まずいません。
それが、ギャンブル、異性、ぜいたくなどにお金を浪費してしまいお金に失敗することになります。
業務を通じて得た事例も踏まえ、お金に関する基本的な教養を行っていました。
お金の話については、ほとんどの受講者は熱心に聞いてくれます。
財務捜査の研修に比べ、質問も多くいただきます。
関心の高い分野です。
警察教養の中でも、お金に関する話はほとんどありません。
そういう点で、話を聞いてもらえてよかったと思っています。
本日のまとめ
お金に関する教養をする以前に、ファイナンシャル・プランニング技能士検定を取得していたことも助かりました。
個人が関係する財務捜査では、企業会計だけでなく、個人の資産関係の知識も必要になります。
この知識も話をする上で役立ったのかもしれません。
それにしても、お金に絡んだ警察官の不祥事は相変わらず多いような気がします。
地域住民の方のためにも、自分自身のためにも、お金の基本を身に付けて職務に当たって欲しいと願っています。