現金の窃盗はどうして立件できたのか?

三菱UFJ銀行の元行員による貸金庫事件。
今月(2025年3月)10日には、貸金庫から現金1,650万円を盗んだとして再々逮捕されています。

過去2回の逮捕容疑は、金塊の窃盗。
これに対して今回は、現金です。

現金窃盗捜査の難しさ

三菱UFJ銀行銀行の元行員による貸金庫事件については、当初、捜査が難しと言われていました。

  • 貸金庫に何が入っていたのかがわからない
  • 容疑者以外にも貸金庫に出入りできる人がいる
  • 現金などについては、物の特定ができない

といったことが理由です。

しかし、貸金庫に何が入っていたかについては、容疑者がスマートフォンで撮影していたことで判明させることができたようです。
一方、現金については撮影だけでは、物の特定が困難です。

貸金庫から持ち出された物を容疑者が換金しているなどの事実がないと、その人が盗んだとはいえません。
そこで、最初の逮捕事実は形状が異なったりシリアル番号のある金塊だったのだと思います。

  • 金庫にシリアル番号の入った金塊が在中していた
  • 写真も残っている
  • その金塊が換金されている

という事実から、窃盗は立件できそうです。

現金はどうか

これに対し、現金の場合には物の特定ができません。
仮に多額の現金を持っていたとしても、現金を盗んだ証拠にはなりません。

ただ、今回の事件について記事によると

  • 玉川支店に異動する際、練馬支店から貸金庫の鍵を持ち出す
  • その上で、異動先の玉川支店の貸金庫から現金を持ち出す
  • 数日後、帽子やマスクで顔を隠した元行員が、練馬支店の貸金庫室に入る
  • 入店の様子は防犯カメラに記録されていた

とあります。

また、

  • スマホで撮影した貸金庫の写真
  • 詳細な「犯行メモ」

もあると報道されています。
そのような背景で現金の窃盗が解明できたのだと思います。

本日のまとめ

とはいえ、現金の立件が難しいことは確かです。
個々の現金に特徴がないため、容疑者が持っていた現金が盗まれた現金であることを示すことは簡単ではありません。

この点については、2018年6月に、市民病院に勤務する准看護師が、同僚看護師のロッカーから現金2,000円を盗んだとして逮捕された事件が報道されています。

被害者の看護師は、これまでも同様の被害に遭っており、財布内の紙幣番号を控えていて、准看護師がその紙幣を持っていたことが逮捕の決め手になったとのことです。

現金に関する事件捜査が難しいことは事実ですが、このように立件されているケースも少なからず存在します。