横領などで不正に得た金をギャンブル、FX、暗号資産などに投じていることはよく見られるケースです。
ところで、ギャンブルでどの程度損益が出たのか。
預金を通じて行っているのであれば、通帳からざっくりと計算してしまいます。
ギャンブルにお金を使う理由
従業員が会社の資金を横領して、ギャンブルに資金を注ぎ込む。
そのようなケースは実際かなり多いかと思います。
公営ギャンブルのほか、FX、暗号資産に使っていることもあります。
金融商品であっても、短期の価格変動によって利益を得ようとするのであれば、ギャンブルに近くなってきます。
株式投資も現物の長期保有あれば資産形成、信用取引やデイトレードで短期に勝負するのであればギャンブル性を帯びてきます。
会社のお金に手を付ける理由としては、
- ギャンブルで失敗してお金が必要
- ギャンブルで勝っているので、一時的に借りて、儲けて返す
のだいたいどちらかです。
どちらにしても、結果的には損をしていることがほとんどです。
いくら損をしたのか
ギャンブルでいくら損失を出したのかは気になるところです。
この場合、運営元が対応してくれるのであれば、取引明細を入手できるかもしれません。
ただ、それなりの時間もがかかります。
取り急ぎ、預金通帳から勝ち負けを概算で算出してしまいます。
基本的には、
- 通帳からギャンブルに関係する摘要を抽出
- 期間ごとに出金額、入金額を計算
というだけです。
ギャンブルは短期取引なので、もし勝ったのならば、賭け金の支払から数日以内に勝った金が入金されてきます。
私は競馬をやらないので、生成AIに競馬をする人の取引明細をつくってもらい、これをもとにサンプルデータを作ってみました。
こんな感じで集計すれば勝ち負けの概算は計算できます。
厳密ではないかもしれないが
ただ、こちらの計算は、ざっくりとした計算です。
次のようなケースでは、正確性に欠けてしまいます。
株やFXなどで未実現の利益、損失がある場合
競馬などは、馬券の購入から結果の判明まで数日程度で精算が行われます。
基本的に賭け金の持ち越しはありません。
これに対し、株やFXは、精算をしないでそのまま取引を継続することが可能です。
未精算の取引については未実現の含み損益が生じています。
口座を通さない取引がある場合
馬券を購入できるのは、何も預金口座を経由する必要はありません。
実際にJRAの窓口でも馬券は購入できます。
このように、預金を通さない取引については、把握できません。
預金の取引明細を利用する以上、これは避けられないことです。
本日のまとめ
このように厳密性には欠けますが、ギャンブルにいくら使っていたのか、勝ち負けはどうだったのかを早期に把握するためには、有効な手法です。
ところで、ギャンブル、投機性の高い商品に手を出して、負けるばかりとは限りません。
ソニー生命で170億円の不正送金をしていた会社員は、暗号資産に投資し50億円の利益をあげ、その金額も含めて返還をしています。
もっとも懲役9年の実刑判決ですから、儲かったとしても割には合いませんが。