現在、「警察公論」で「意外と知らないお金のあれこれ」を連載しています。
「お金」に関する書籍は数多く出版されています。
そこに、あえてお金の話を書いています。
2つの種類の「お金の話」
お金に関する情報で最も多いのは、お金の増やし方かもしれません。
現物株、投資信託、FX、暗号資産、信用取引など、簡単にお金を増やすノウハウは数多くあります。
しかし、これらでお金を増やすには、まず、元手が必要です。
「資金を10倍に増やす」といっても、元手によってインパクトが違ってきます。
- 元手が1万円ならば、10倍になっても10万円
- 元手が100万円であれば、1,000万円
- 元手が1,000万円であれば、1億円になります。
では、この元手を作るにはどうするかといえば、基本は地道な貯金です。
もちろん例外的に最初から大当たりして貯金のプロセスを飛ばした人もいると思います。
しかし、それは再現性が低く、すべての人に当てはまるわけではありません。
誰もが再現できる確実性の高い方法は、「一定期間、地道に貯金して元手をつくり、そこから徐々に投資をしていく」というプロセスです。
時間を味方につければ、ある程度までお金を増やせる可能性は高くなります。
ただし、このような内容は地味ですし、面白みに欠けます。
当たり前とも感じます。
また、貯金をするためには、当然のことながら支出を収入の範囲に収める必要があります。
これも面白い話ではありません。
このような「お金の基本」を丁寧に説明している本は、意外と少ないように感じています。
財務捜査を通じてみるお金の失敗
財務捜査官として25年間、お金に関する犯罪捜査に従事してきました。
財務捜査はある意味お金の失敗を見ていることになります。
金銭に絡む犯罪で、容疑者のタイプは2つに分かれます。
1つめは、組織的詐欺事件などで、最初から犯罪をもくろんでいる人たち。
もう1つは、普通だった会社員、公務員らが何かのきっかけで不正に走るケースです。
- 背任
- 贈収賄
- 横領
といた事件の被疑者は、おおよそ普通の人です。
入社試験を受け、新入社員として採用され、その後普通に勤務していることがほとんどです。
それが何かのきっかけで、浪費やギャンブルなどに走り、資金が足りなくなり、そこから犯罪に手を染めるというのが典型的なパターンです。
これらの容疑者に共通しているのは、お金の基本を知らないことにあったように思います。
- お金を増やすには、貯金などで蓄えた元手が必要
- 貯金をするには節制が必要
- お金を増やすには、時間がかかる
- 短期間でお金を増やそうとすると、リスクの高い投機になりがち
- 低リスクでお金を増やすには、目の前の仕事に実直に取り組み、本業の収入を安定させること
といったことを理解していません。
基本を身に着けていなかったばかりにお金の失敗をしてきた被疑者をみるにつれ、その重要さを感じています。
本日のまとめ
「警察公論」に連載している「お金のあれこれ」では、警察官を対象にお金の基本を書いています。
もちろん、この内容は他の公務員、会社員にも共通している話です。
ある意味当たり前のことと受け止められるかもしれませんが、基本とはそのようなものだと思っています。
再確認の意味でも、ご一読いただければ幸いです。

