トンネル会社が背任となるとき

先日の新聞報道によると、元病院の職員が自身が実質的に経営する業者を仲介させて病院に水増し請求し損害を与えたとして、背任罪に問われ有罪判決を受けたとのことです。

三重の元市民病院職員、背任で有罪判決 物品発注巡り

このように、取引の間に自己が支配する会社を挟むことは、背任罪に該当することがあります。
間に入る会社は、トンネル会社とも言われます。

事件の内容

新聞記事の内容は簡潔にまとまっているので、それほど加える内容はありません。
NotebookLMにかいてもらうとこのような感じです。

自分が実質的に経営する会社を介在させ、代金の水増し請求をしていたというものです。

無用な支出

勤務先の会社(今回の場合は病院)などが商品を購入するにあたり、自分が支配をしている会社を介在させた場合、背任罪に問われることがあります。

「不正の端緒を見抜く 財務捜査の進め方」でも紹介した、三越の背任事件が典型例です。

商品を仕入れるにあたって担当者は、価格、商品の品質、納入の確実性などを総合的に判断し、会社(今回の事件では病院)の利益のために業者を選定する任務があります。
その任務に背き、自分が利益を得るなどの目的で不必要に高い価格で仕入れれば、会社に損害が生じ、背任罪に該当することになります。

今回の病院のケースでは、損害額とされる約670万円については病院側に無用な支出をさせ、個人が利益を得たことになります。

職員が背任罪に問われるのは、キックバックのケースと、このようなトンネル会社を経由した取引に多いと感じています。

本日のまとめ

間に会社を入れることで、会社よりも自分の利益を優先させた場合、背任罪に該当する可能性があります。

もちろん、取引の間に会社を入れることすべてが背任というわけではありません。
実質的に商社機能を行っているなど、有用な活動をしていることもあります。

背任罪の構成要件の一つに「その任務に背き」とあるように、会社よりも自分の利益を優先しているかが、一つのポイントになります。

資金の流れを解明し、最終的に誰の利益になっているかを解明するのも財務捜査の役割となっています。