税理士登録をして以来、何度か無料税務相談会の担当に従事しています。
先日相談者のお一人から「今日の相談内容は、税務署に報告されるのですか?」とのご質問がありました。
もちろん、そのようなことはありません。
税理士と守秘義務
冒頭で紹介したエピソードは、無料相談会で少し具体的な質問にお答えしていたときのことです。
不申告や脱税相談ではありません。
脱税相談であれば、そもそも相談に応じることはできません。
一般納税者の方からすると、税理士と税務署の区別はつきにくいかもしれません。
確定申告時期には、税務署や申告会場で税理士が税務署職員とともに対応に当たることもあります。
また、税務署OBの方が退職後税理士登録することも多く、「税理士=税務署」のイメージがあるのかもしれません。
しかし、税理士は、税務署とは独立した立場の存在です。
また、税理士には、守秘義務も課されています。
税理士に相談した内容が税務署に報告されることはありえません。
家族や知人にはどうか
税務署に報告がされなかったとしても、税理士の家族や知人に相談内容が伝わることを懸念される方もいるかもしれません。
税理士は、地元密着型の業務をしています。
そのため、ご近所の方が相談に見えることもあります。
税務相談では、財産の内容、家族の状況を細かく確認する場面もでてきます。
個人情報が税理士の家族や知人に話されないか心配される方もいるかもしれません。
結論的にいえば、やはりこれも守秘義務によって守られています。
少なくとも私については、家族や知り合いに相談内容を話すことはありません。
法律で定められているからということはもちろんですが、誰であれ、人に話せば、他の誰かに伝わる可能性はあります。
その時点で税理士としての信用はなくなってしまいます。
警察時代と守秘義務
そういえば、仕事のことを家で話さないのは、警察時代からずっとそうでした。
警察での捜査内容はもちろんのこと、どこの警察署で捜査をしているかについても家で話をしたことはありません。
法律で守秘義務が課されているのは当然として、ふとした会話から周囲に伝わる可能性がでてきます。
また、警察幹部の自宅には新聞記者などが夜分に訪ねてくることがあります。
家族から「今は〇〇署にいっています」という話が出れば、その警察署で財務捜査官が従事する大きな事件捜査が行われていることがわかってしまいます。
捜査への影響を考えると家でも軽々に仕事のことは話せません。
その習慣は税理士・行政書士となっても変わりません。
本日のまとめ
税理士法の第1条では、税理士を「独立した公正な立場」と定めています。
また、38条に守秘義務も規定されています。
それ以前に、法律に書かれていなくても、相談を受けた内容を漏らさないのは当然のことと思っています。
税金の相談に対応するには、個人情報を聞く場面もでてきますが、そこは安心してよろしいかと思います。


