来週の予定を確認すると、3か月に1度の歯の定期検診が入っています。
検診には、多少の時間とコストがかかります。
それでも、歯痛に悩まされたりするよりはずっとましです。
人間ドックも同様です。
予防の大切さは、企業の社内不正でも同様と思います。
不正の予防が大切な理由
不正の防止と不正の調査。
どちらも重要ですが、効果が高くコストも抑えられるのは不正の防止です。
理由をいくつかあげてみます。
損失が戻るとは限らない
社内不正で会社から流出した損失については、当然、本人に損害賠償請求ができます。
しかし、これは法的に請求できるというだけです。
実際に返済が受けられるかどうかはわかりません。
横領の動機の多くは、個人的な支出や借金返済、ギャンブルなど。
すでにお金は使われています。
横領は、最初の金額は小さくても、繰り返し行われるうちに金額が膨らむのが普通です。
会社が損失を取り戻すことは、容易ではありません。
調査にかかるコストと時間
社内不正が発覚すると、損害額の確定と再発防止策の策定のため、詳細な調査が必要となります。
内容や規模にもよりますが、社内だけでなく、外部の弁護士や会計専門家などに調査を依頼することもあります。
調査には関係部署の協力が欠かせませんし、関係者への聞き取り調査なども必要です。
外部への報酬や業務の停滞などを考えると、相当なコストと時間を要することになります。
信用へのダメージ
社内不正は、金銭的損失に加え「信用の失墜」という損害も生じます。
いくら内密に処理しようとしても、不正の情報はどこからか漏れることが多いのが実情です。
関係者が多くなれば秘匿は困難になりますし、取引先や同業他社にまで情報が伝わることもあります。
また、決算書に特別損失として計上すれば、融資を受けている銀行をはじめとした利害関係者にも事実が知られることになります。
長年かけて築き上げた信用が、一度の不正で大きく傷つくことになりかねません。
本日のまとめ
上に書いた以外にも不正が発生したときの損害はありそうです。
税務申告書の修正と納税も必要になりそうです。
また、本人を解雇するにも所定の手続きを経ないと後日トラブルにもなりかねません。
これらの現実を踏まえると、社内不正は予防が重要といえます。
もちろん、不正の防止策をたててもすべてを完全に防ぎきれるとは限りません。
これは、歯科検診や人間ドックも同様です。
それでも予防をしないよりもダメージは軽く済むはずです。