「みんながやっている」怖さ

先月、ある士業の方と、ある業務について話す機会がありました。
私としては、その業務は他士業の独占業務に抵触するようにも思えたところ「みんなやっているし、問題ありませんよ」とのこと。

「みんなやっている」の発言には、慎重に判断しています。

「みんなやっている」とは

日常の中で「みんなやっている」ことは、一つの判断基準となります。
多くの人がしている行動であれば、社会的にもある程度受け入れられているのだろう、という感覚があります。
実際、普段の生活で、一つ一つの行動について法律の条文を確認することはありません。
みんながやっていることは、基本的に間違っていないと判断できます。

一方で、違法、グレーな領域を正当化するために「みんな」を持ち出すこともあります。
「他の人もやっているから、自分も問題ないだろう」、「取り締まりも受けないだろう」という考えだと思います。

グレーだけであれば微妙なこともありますが、完全に違法なこともあります。

過去の事例

「みんなやっている」を多く聞いたのが、コロナ給付金の不正受給事件捜査をしていたときのことです。

  • 会社員なのに個人事業主として申請
  • 売上減少の虚偽報告

などの手口で不正受給が横行しました。

その中で言われたのが「みんなやっている」というフレーズ。

  • 不正であっても、みんなやっているから問題ない
  • みんなやっているのに、自分がやらないと損してしまう

という心理が働くのかもしれません。

違法と知りながら、あるいは違法を感じながら「みんなやっている」で不正に手を染めています。

当然ながら、みんながやっていても、違法でなくなることはありません。
「みんなやっている」を信じて、検挙された事例を数多く見てきました。

本日のまとめ

ある士業の方が話していた「みんなやっている」ことは、おそらく合法であり問題ないのだと思います。
雑談の中であり、厳密な話でもありませんでした。

現在、その業務をする予定はありませんが、実際行うときには少し慎重に判断したいと思っています。