公正証書遺言の作成には、2人の証人が必要となります。
証人になるのに特別な資格は求められていません。しかし、一定の欠格事由があります。
また、欠格事由に該当しないからといって、誰にでも頼めるものでもありません。
証人になれない人
公正証書遺言の作成には、2人の証人が必要となります。
この証人は、公証人が公正証書を完成させ、遺言者に確認を求めるときの証人です。
公証人が作成した遺言書を遺言者と証人に読み聞かせ、または閲覧させることが民法に規定されています。
打ち合わせの段階で、証人が必要となるわけではありません。
証人が登場するのは、遺言書作成の最後の場面です。
証人となれないのは、
- 未成年者
- 推定相続人
- 受遺者(遺贈を受ける人)
- 推定相続人および受遺者の配偶者および直系血族
等となっています。
未成年者は判断能力が不十分ですし、推定相続人や受遺者は利害関係者となります。
これらの人は、証人としては不適当ということです。
推定相続人とは、今相続があったとしたならば、遺言者の相続人となる人をいいます。
相続がはじまったときに、誰が相続人になるかについては、先日ブログに書いたところです。
また、法定相続人ではありませんが、遺言により相続財産をうける人(受遺者)も利害関係者として証人になることはできません。
誰に頼めばいいのか
証人については、欠格事由が決められているだけで、それ以外特別な資格は必要とされていません。
誰でも証人になることができます。
その中で、欠格事由に該当する人だけが証人となれないだけです。
兄弟姉妹は証人になれるのか
証人としてお願いしやすいのは、身内かもしれません。
しかし、推定相続人やその配偶者、直系血族は不可となっています。
身近な人で証人にお願いできそうなのは、兄弟姉妹かもしれません。
遺言者に子や親がいれば兄弟姉妹は推定相続人に該当しません。
受遺者等にも該当しなければ証人になることは可能です。
しかし、証人になれることと、証人として適切かどうかについては別問題です。
推定相続人と近い関係にあるうえ、遺言書作成時の推定相続人だった人が死亡した場合、相続人となる可能性があります。
証人を求める趣旨は、公正証書遺言が適正に作成されたことの確認にあります。
できるだけ遺言者と利害関係が生じない人にお願いする方が良いように思います。
また、遺言の内容、自分の財産を知られるわけですから、証人のお願いは慎重にした方が賢明です。
結論と本日のまとめ
証人をお願いできる人に心当たりがない場合には、ご自身で探そうとされず、公証役場に手配をお願いするのが良いかもしれません。
遺言者と利害関係がありませんし、証人としても適切なはずです。
そのほか、お知り合いの税理士、司法書士、行政書士等にお願いするというのも方法です。
もちろん、当事務所でも遺言書の作成サポートから証人の手配まで承っております。