公務員が税理士登録するまでの道のり

公務員を退職してから税理士登録をするまで3か月かかりました。
これ以上短縮して登録することはできないかと思います。

あらかじめ、登録申請から登録完了までの期間を見込んで準備をすることになります。

公務員は税理士登録ができない

公務員は税理士登録ができません。
報酬のある公職に就いている者は、税理士登録をすることができないことになっています(税理士法24条)。
国家公務員、地方公務員も同様です。
「国会又は地方公共団体の議会の議員の職、非常勤の職その他財務省令で定める公職を除く。」とかっこ書きがありますが、フルタイムで働いている場合にはこの適用はありません。

そのため税理士資格を有する公務員は、退職の日を待って登録することになります。
定年のように退職日が決まっているのであれば、事前に登録申請書を提出することができるものなのか。
この点について税理士会に聞いたところ、在職中には申請書の提出も不可とのこと。
在職者は登録できないのですから申請もできないないのは、これは仕方ありません。

登録申請用紙は入手できるので、必要書類を手配したり、記入を済ませておくことは可能です。
ただ、戸籍などは提出前3か月以内の発行のものとなっているので、あまり早過ぎると有効期限が切れてしまいます。

4月に登録申請

そのようなわけで、退職後すぐに登録申請を行いました。
とはいっても、4月中の申請は末日締め切りなので、それほど慌てる必要はありません。

4月上旬に税理士会に提出に伺いました。

追加書類の依頼を受ける

ところで、税理士登録には2年以上の実務経験が必要です。
試験合格前後を問わずカウントできることになっています。

私の場合、前職の財務捜査官の業務が、実務経験の要件である、

(1) 簿記上の取引について、簿記の原則に従い取引仕訳を行う事務

(2) 仕訳帳等から各勘定への転記事務

(3) 元帳を整理し、日計表又は月計表を作成して、その記録の正否を判断する事務

(4) 決算手続に関する事務

(5) 財務諸表の作成に関する事務

(6) 帳簿組織を立案し、又は原始記録と帳簿記入の事項とを照合点検する事務

の(3)、(6)に該当するように思います。

書類を確認してもらったところ、勤務先が発行した在職証明書だけでは財務捜査官の業務内容が分からず、これを裏付ける資料が必要とのこと。
確かに在職証明書には、部署、職名、階級などは書かれていますが、具体的な業務内容まではわかりません。
ご指摘のとおりです。

ここで前の職場から業務内容を記載してもらうことも可能ではあります。
しかし、警察も行政機関であり、決裁には相当な時間がかかります。
在職証明書であっても発行まで2週間程度要したので、このままだと4月末の提出は難しくなります。

30年前の職場へ在職証明書のお願い

前職のさらに前は民間企業で経理の仕事を数年間行っていました。
今から30年ほどまえのことです。
今でも会社は存続しているので、ここで在職証明を取得することも可能です。

急遽、昔の会社に連絡をし、在職証明書の発行と印鑑証明書をお願いすることになりました。

30年前に退職した会社でしたが、快く発行に対応していただけました。
さらに印鑑証明書を切らしているからといって、法務局まで自転車で取りにいってくれたり。
良い会社に勤務していたと、改めて実感したところです。

手間のかかる箇所

それにしても、登録申請書は、かなりの分量になります。

  • 直近2年分の確定申告書のコピー
  • 事務所の設置を確認する書類

などもありますし、

申請者によっては、

  • 勤務時間の積上げ計算書
  • 無職期間の事情説明書
  • 退職理由説明書

なども必要になります。

調べるのに時間がかかったのは、

税理士登録申請書
履歴書

に記入する勤務経歴です。

入社年月日、退職年月日を日単位で書く必要があります。
私は4社の勤務経験がありますが、途中の会社の入退職日は月初、月末などのキリのいい日ではありませんでした。
確か1社は1月13日入社、もう1社は3月20日退職だったはずです。

正確な日付については、ねんきん定期便で確認をしました。

不正確だと在職証明書の日付が一致しなくなってしまいます。
ここは正確に記入します。

4月24日に登録申請書を提出することができました。

支部面接

4月に書類を提出すると、5月の上旬に支部面接が行われます。

面接は支部長と副支部長が対応してくださいました。
面接といっても、口頭試問のように落とすためではありません。
特に難しい話はなく、自然体で臨めば問題はありません。

支部活動、税理士会の説明などを含めて30分程度で終了です。

登録までは税理士業務をしないように、念をおされます。
当然のことです。

面接後のスケジュール

面接が終わればあとは書類審査です。
審査内容はわかりませんが、申請書の提出段階である程度のチェックがされ、支部面接でも確認がされていると思うので、大きな問題点はないかと思います。

5月上旬にいただいたスケジュールには、

5月27日 関東信越税理士会登録調査常任委員会(書類審査)

6月17日 日本税理士会連合会登録調査部会(書類審査)

6月26日 日本税理士会連合会登録審査会(書類審査→登録完了)

7月5日 入会式及び研修会

とありました。

それぞれ書類審査の日を含め、2~3日は連絡が取れるようにと書いてあります。

私の場合、5月27日の関東信越税理士会の登録調査常任委員会終了後の3日後に

”以前勤務した会社について、履歴書に書かれている住所と現在の本店所在地が違っていますが、移転ということですか?”

との確認電話がありました。

すでに審査は終了していているが、次の連合会審査のときに不一致と見られないように念のための確認とのお話しでした。
本店移転については、添付した登記簿で確認がとれるのでその旨を伝えてご了解をいただきました。

登録当日

その後は特に連絡もなく、順調に書類審査が済んだようです。

待望の登録当日。
どこからも何の連絡もありません。
一応日程も書面で来ているので、登録できていなければ通知があるはずです。
当日から税理士業務をするわけではないので、2~3日以内に連絡があれば十分。

とはいえ、翌日税理士登録を気にかけてくれた方と会う予定があったので、念のため登録予定日の夕方に日本税理士会連合会へ問い合わせを行いました。
確認をしていただいたところ「登録できています」との回答。

これで登録完了です。

本日のまとめ

税理士登録の通知については、翌日関東信越税理士会から入会式等の案内郵便が、翌々日には税理士登録のハガキが届きました。

税理士登録申請をしてから登録完了まで少なくとも3か月はかかります。
行政書士会の場合、県単位で審査をするためか、4月上旬に申請したら5月1日に登録完了。
1か月もかからなかったことに比べるとかなり時間がかかっています。

とはいえ、それぞれの士業の役割が違うのでここは仕方のないところ。

この期間を見込んで、開業に向けた準備を進めることになります。

どなたかのご参考になれば幸いです。