路線価で草加市の相続税を考える

昨日7月1日に全国の路線価が例年どおり国税庁から発表されました。

全国的な傾向としては、

  • 全国平均で2.3%の上昇
  • 訪日外国人の増加、工場誘致、再開発等で大きく地価が上昇した地点がある
  • 一方で16県では地価が下落

といったことが報じられています。

ところで、わが街草加の路線価と、相続への影響を考えてみました。

路線価とは

路線価とは、全国市街地の道路に面した標準的な宅地1平方メートルあたりの価額をいいます。
毎年1月1日時点の評価額を7月に発表することとなっています。
2024年も7月1日に公表されました。

この路線価を基に、その年の相続について土地の評価額を計算します。
一般的に相続財産価額のうちに土地の占める割合が高いため、路線価が相続税の計算に大きな影響を与えることになります。

草加市の路線価

草加市の最高路線価

令和6年の草加市の路線価をみると、市内で最も高いのは、丸井、イトーヨーカドーが入居しているアコスビルの草加駅前東口ロータリー。

54万円の価額が付されています。
この54万円は、1平方メートルあたりの金額です。
これに3.3をかけて坪単価を計算すると坪178万2,000円と計算できます。

ただ、草加駅前ロータリーは住宅地ではありません。
そこで相続と深く関係する、草加市の一般的な住宅地の路線価を調べてみました。

代表的住宅地路線価

参考にしたのは、草加市のホームページにある「草加市町名別住民基本台帳人口」(2024年6月1日現在)。

調査日時点で251,752人が住んでいる草加市の地区別人口が掲載されています。

上位5地区の人口は、次のとおりです。

  地区         町名         人口   
谷塚地区谷塚町、1~2丁目、仲町、上町   23,382人
青柳地区青柳・1~8丁目   16,738人
瀬崎地区1~7丁目   14,555人
氷川地区氷川町   14,195人
松原地区1~5丁目   12,913人

地区の面積によるのでしょうが、谷塚にこれほど多くの方がお住まいとは知りませんでした。

それはさておき、それぞれの代表点として、小学校に面した道路の路線価を一覧表としたのが、下の表になります。

例えば、令和6年の場合、谷塚小学校東側道路に面した住宅地の路線価は「125」。
つまり、1平方メートルあたり125,000円となります。
仮に、この路線に面した土地を100平米お持ちの場合、相続税評価額は 125,000円×100平方メートル=1,250万円 と算定されます。

ただ、この路線価は1つの道路に面した標準的な正方形の土地を想定しています。
2つ以上の道路に接した土地であれば、評価額はこれよりも高くなります。
一方、三角形などの土地であれば、評価額はこれより低くなることがあります。

草加市の路線価動向

ところで、草加市の路線価は上昇傾向にあります。
上記の路線価を令和2年を100としたグラフを作成してみました。

先ほどの路線価を数字で見ただけでも草加市の路線価は上昇傾向にあることがわかります。
さらにこれをグラフ化すると、視覚的にも明瞭です。

令和2年を100とした指数は、どの地点も上昇。
特に松原地区で顕著です。
これは、旧草加松原団地の再開発によるところが大きいものと思われます。

現在、同地区は、マンション建築、宅地造成も進行中。
今後もこの傾向は続くのかもしれません。

相続税を考える

さて、ご自身の相続税を考えるには、まず、路線価で自宅の路線価を調べるところから始めるのがお勧めです。

路線価は、国税庁のホームページで確認ができます 路線価図・評価倍率表

先ほども書いたとおり、路線価は土地を評価する際の基準となる価額です。
接する路線数、土地の形状によって個別に計算をする必要はあります。
ただ、ざっくりとした計算、確認には使えるかと思います。

ところで、現在相続税の基礎控除額は、相続人数に応じて次のようになっています。

  法定相続人数    基礎控除額  
    1人    3,600万円
    2人    4,200万円
    3人    4,800万円
    4人    5,400万円
    5人    6,000万円

相続財産がこの基礎控除額を下回っていれば、相続税の申告、納税は不要となります。

仮に相続人が1人の場合、基礎控除額は3,600万円です。
ご自宅の土地について相続税評価額が3,000万円とした場合、これに建物、預貯金等の資産を加えて3,600万円を越えるかどうかが、相続税を考える一つの目安となります。

実際には、みなし相続財産、生前贈与加算、債務控除などの要素があるので、正確ではありません。

また、相続財産が基礎控除額を越えていても、小規模宅地等の特例、配偶者の税額軽減(配偶者控除)によって税額が軽減されたり、ゼロとなることもあります。

もう少し詳しく計算するには 国税庁 相続税の申告要否判定コーナー で確認することができます。
質問に答えるだけで相続税の申告要否が判定できます。
私も使ってみましたが、結構使い勝手が良いように感じます。

以前は草加市の地価もそれほど高くなく、相続税の対象となる方は少数でしたが、今後地価が上昇した場合、多くの方に影響してくるかと思います。

本日のまとめ

2024年7月に公表された路線価額から草加市の相続について考えてみました。

草加市の地価はこのところ上昇傾向にあります。
今後も同様な動きになるかはわかりませんが、相続税を考える上で要注意です。

また、相続「税」はかからなくても、誰にでも相続は発生します。
「税」だけでなく、相続そのものを考えるきっかけにしていただければと思います。